エンジェル投資グループ: Keiretsu Forum

今日、ライフサイエンスベンチャーの投資案件検討会があったので参加してきました。

Keirestu Forumは、日本語の「系列」から名づけられたエンジェル投資家グループです。ただし、日本人が創立者というわけではなく、メンバーの中に日本人がいるのかも不明です。2000年に、サンフランシスコのイーストベイ(バークレー・オークランドの周辺)で創立されました。エンジェル投資家グループは地域ごとに「支部(Chapter)があるのですが、Keiretsu Forumは46の支部が北米、ヨーロッパ、アジアにあり、グローバルの組織になっています。アジアでは、北京、上海、シンガポール、ジャカルタ、チェンナイ(インド)、バンガロア(インド)に支部ができています。ただし、どういうわけか日本支部はまだありません。カルチャーの問題でしょうか、それとも規制の問題でしょうか。

2000年に発足以来、累計300社以上、$500mmのベンチャー投資、2015年度だけでも130社のベンチャーに$71mmの投資をしています。現在全世界で2500名以上のメンバーが所属していて、エンジェル投資家グループとしては世界最大の規模です。

Keiretsu Forumはあらゆる分野のベンチャー投資を検討します。70%がテクノロジーベンチャー、30%はそれ以外(Retail、ビジネスモデルなど)です。ただし、投資案件は原則、支部ごとに評価します。サンディエゴは、南カリフォルニア支部に属しています。サンディエゴやオレンジ郡はハイテクやライフサイエンスのバックグラウンドを持ったエンジェル投資家が多いので、全国からそのような分野の投資案件が集まる傾向にあります。

今日の投資案件検討会は、ライフサイエンスのベンチャーのみでした。4社のプレゼンがありましたが、水生生物(海水と淡水)から分離した化合物を創薬のスクリーニングに供給するベンチャー、免疫細胞の特異的な受容体をブロックして自己免疫疾患を治療しようというベンチャー、新生児の突然死を防止するためのウェアラブルセンサーを開発しているベンチャー、耐性ブドウ球菌(MRSA)に著効を示す新しい消毒・抗菌液を開発しているベンチャー、と幅広いユニークなベンチャー投資案件でした。

出席のエンジェル投資家はいろいろなバックグラウンドの方々でしたが、投資という見地からそれぞれ的をついた質問をしていました。シード段階の案件ですから、技術的なリスクは高いです。プレゼンでは会社の内容はもとより、経営者(プレゼン者)の人柄をみる、質問への答え方をみる、ということが大きなポイントとなります。

この後はそれぞれのベンチャーに興味のある人が集まって、Due Diligence(会社・技術の詳細な調査と評価)が始まります。TechCoast Angelsの稿で述べたように、投資を受ける確率は極めて低いです。

 

 

 

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