カリフォルニア大学サンディエゴ校(UC San Diego)では、理工学、医学系の最先端の研究が行われています。その研究成果として、商業化に値する技術が生まれてきます。この場合、いきなりベンチャー会社を作っても、経営資金や必要な人材が集まらなかったりとハードルが高いです。
UC San Diego内には、新規技術を投資家が評価するに値するレベルにまで育成するインキュベーターがあります。ひとつは、工学部のVon Liebig Entrepreneurism Center(フォン・リービック起業センター) です。ここでは、大学の内外から起業経験者のメンターを集め、新規技術を生み出した研究者グループがプロトタイプを作ったり、ビジネスプランを練ったりするのを支援します。特許も含めてベンチャーとしてある程度の形を整えて、ピッチコンテストに参加したり、エンジェル投資家、ベンチャーキャピタル投資家の門をたたきます。しばしばビジネススクールのMBAの学生も、ベンチャーのチームメンバーとして加わりビジネスプランの作成に取り組みます。
また、起業家育成の教育も重要な活動の一環で、2001年から2012年までのあいだに1000人以上の学生が履修しています。110以上のベンチャーチームが合計$5mm以上の公的資金の補助を受け、32のベンチャー企業が総額$150mm以上の投資を受けています。
学部の学生の起業プロジェクトは、The Basementという同じようなインキュベーター組織でメンターが指導しています。
サンディエゴのエンジェル投資家の多くも、メンターとしてこれらのセンターのアドバイザーになっています。ベンチャーの立ち上げから投資まで本当のハンズオンで参画しています。